魅惑のハニーリップ
「遥、宇田さんに電話してみたら?」

「でも……まだ商談中だったらと思うとできないよ。クレームがらみだから」

 さっきからヤキモキしているけれど、宇田さんがまだクライアントと一緒だったらと思うと、迂闊に電話できないでいた。
 メッセージは送っておいたけれど、返信はない。
 だから宇田さんが今どこにいて、どんな状況なのかまったくわからない。

「遥、さすがにもう席につかないとまずいよ」

 会場の外の受付のところで宇田さんを待っていたけれど……
 ついに披露宴が始まる時間になってしまい、私と優子も会場の中に入って席についた。

 私の隣の宇田さんの席は、空席のまま。
 どうなっちゃうんだろうかと不安で、ソワソワして落ち着かない。
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