魅惑のハニーリップ
 そんなに気安く触らないで欲しい。
 それに、どうして宇田さんも断らないの?!

 浅田さんはやっぱり、宇田さんが好きなんだ。
 そう確信したら、キューッと心臓が締め付けられるのがわかった。

 これは……もしかして嫉妬?
 いや、もしかしなくてもそうだと思う。

 私、こんな小さなことでも気になっちゃうくらい、宇田さんを好きになってしまっている。
 心の中はもう、彼でいっぱいだ。

「池上さーん! こっち手伝ってー!」

 そんな時にタイミングよく、ほかのスタッフの人に呼ばれた。
 やっぱりこういう時は、仕事に没頭するのが一番だ。
 次から次へとやることがあるのはありがたい。

「お疲れ様でした!」

「お疲れ様。池上さん、明日もよろしくね!」

 その日の仕事はなんとか終わり、あとは泊まる予定のホテルに向かうだけになる。
 そんな中、業務が終わるとやはり……宇田さんのことが頭に浮かんだ。

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