狼系王子とナイショの社内恋愛
「その点、先輩は全然気取ってないけど可愛らしいし、男に媚びてもいないからしっくりくるっていうかお似合いかもーって」
「似合うわけないじゃない。結城さんの隣に並ぶ人なんて、そうとうな美人じゃなくちゃ周りが認めないでしょ」
「――周りが認めるかどうかなんて、関係ないと思いますけど」
そんな事を言いながら私の向かいに座った結城さんに、嫌な予感しか感じなくて顔があげられない。
隣の金子さんは当然のごとく興奮してるし、周りにいる社員だって結城さんがなんでここに座るのか不思議そうにしてるしでもう……。
こういうのやめて欲しい。
ただでさえ、こっちは冷静な態度なんて取れそうもないんだから。
……先週のキスのせいで。
「結城さんっ、どうしたんですか?!」
「俺も昼休みで……」
「そうじゃなくて! なんで私たちのところになんてって意味です。
いつもは企画課の人と食べてるのに」
「俺の名前が聞こえてきたから気になって。
高橋さんもしてましたよね、俺の話」
興奮気味に聞く金子さんに落ち着いた態度で答える結城さんが、私に話を振る。
結城さんがこっちを見ているのは分かったけれど、目を伏せたまま首を傾げた。