狼系王子とナイショの社内恋愛
「俺の名前、知ってますか?」
「……知ってます。有名人ですから」
徐々に距離を埋める結城さんに、声が震えていた。
目の前が結城さんだけになって……そのまま唇が重なる。
「高橋さんの中から、俺以外の男を追い出してもいいですか」
触れるだけのキスをした結城さんが、今だけでいいですからとささやいてまた近づく。
「ゆ……」
言葉を封じ込められるように唇を塞がれる。
さっきのキスとは違って、今度はすぐに結城さんの舌が入り込んできて私のそれと重なった。
「ん、ぅ……っ」
咥内でゆっくりとじらすように動く結城さんに、頭がぼんやりととろけだす。
優しいけれど、身体に熱を持たせるようなキスが期待を高めて、私を昂ぶらせていく。
結城さんの存在を埋め込むような、教え込むような、そんなキス。
長い間そうしていた結城さんがやっと離れて、濡れた私の唇を拭うようになぞる。