狼系王子とナイショの社内恋愛


「結城さん、ひとりに夢中になれないって言ってましたよね」
「はい。今のところ」
「あの、私は今、二股かけられた上振られた状態なんです。
なのになんでまたすぐ浮気しそうな人と付き合えるんですか」

浮気しますって堂々と言う結城さんとなんて、考えられるわけがないじゃないですか。
万が一立ち直って次の恋を探すとしたら、今度は誠実って言葉が服を着たような人にします。
その前に、今は次誰かと付き合うだとかそんな事考えられないですし。
っていうか、なんで笑ってるんですか。人が真剣に話してるのに!

私が長々と話している間、結城さんは黙って聞いていた。
けれどずっと微笑みを浮かべていたから、それが気になって強い口調で言うと、今度はしっかり笑われた。

「あ、待ってください」
「嫌です。誰かからかいたいならその辺でナンパでもして適当に女の子捕まえてください。
そもそも私は今日結城さんと呑気にご飯なんて食べられる心境じゃなかったんです。
それを結城さんが無理やり連れてくるから!」
「すみません」
「その挙句、人が真剣にしている話を笑うとか失礼すぎます!
良識はどこ行ったんですか!」



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