こっち向けよ





「もうっ!次敬語使ったら罰ゲームだって言ったじゃん。」



意地悪そうに微笑んだ衣織さんは、拗ねたときの舞と似ていて、さっきまでの重い空気を軽くしてくれた。



「え~!?今のは無し!無しで!」



「はいはい、そこまでな~」



静観していた工さんが止めに入る。



母さんと衣織さんのじゃれあいは始まるとなかなか止まらないからな。



何より、工さんは自分が隣にいるのに衣織さんに放って置かれるのが寂しいらしい。



「舞、行くよー」



大人3人でのやり取りを終えて、夫婦は母さんと一緒に玄関へと歩き始めた。



「はーい。」



舞は返事だけして、ソファから立たない。



「舞?」





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