こっち向けよ
ゆっくりお祖父様に向き合う。
圧をかけるような眼力にひるみそうになりながらも、負けじと見つめ返す。
「悪いが、お相手の方がああ言っている限り、破棄は出来ぬ。必ず婚約者には会ってもらう。」
「お祖父様!」
もう限界だ。
大人ぶって感情抑えて当たり障りのない台詞吐いたって、意味ないじゃない!
愁と私の未来には、全く意味をなさないじゃない!
「嫌です!私は自分で決めます!私のためとか言って、本当は会社のためなんでしょう!?私の人生なの!!孫だからって言いなりになるとは思わないで!!!」
椅子から勢い良く立ち上がり、森さんに呼び止められても無視して、部屋を飛び出した。
時任さんとお祖父様を見なかったし、何も言っていなかったから、これで終わったんじゃないかなって、思ってみたりした。
でも期待することは良くないから、考えることをやめた。