こっち向けよ






ドクン…!と強く心臓が波打つから、動揺が面に出そうになった。



必死に頭のてっぺんから足の爪先までの余計な力を抜き、自然な出で立ちを心がける。



「こちら、時任グループ現社長の、時任真佐琉(トキトウ マサル)様とご子息の真紘様だ。」



やっと腰を浮かせたお祖父様が紹介をした。



両親が挨拶をしている後ろで、静かに頭を下げながらも、時任くんのことだけは視線から外した。



あっちからの視線は、レーザーポインターでがっちり標準を定めた銃のように揺るぐことなく私に注がれている。



…愁……



早く帰って、愁に会いたい。



愁に触れたい。



…ちゃんとキスがしたい──




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