こっち向けよ
近寄ろうとしてふと自分の状態に気付く。
下にスウェットを履いただけ。
「ちょっと待て!」
脱衣場へ踵を返し、上にTシャツとパーカーを身に付け、真新しいタオルを一枚掴んだ。
バタバタと玄関へ向かうと、関根と目があった途端に関根は叫ぶように話す。
「舞がいないの!」
「いない?時任と一緒だろ?」
出掛けることを親友に話してないのか。
さりげなく関根の頭にタオルをかける。
「時任くんが目を離した隙にいなくなったって!時任くんから電話があったの!!!」
「はあ!?」
目を離した隙にいなくなるとか子供じゃねぇんだから。
「どこではぐれたんだ?」
「駅前のショッピングモール!」
「わかった!関根は家に帰ってろ。知らせてくれてありがとな」
関根に傘を渡して2人で家を出た。
施錠を確認し、別れた。