手をつなごう
「そうだよな・・・そのうちに、束縛される様になった。何処にいるの?何時に帰るの?誰といるの?って・・・朝晩問わず、電話とメールがなってた。
このままだとダメななると思って、逢ったんだ。久々に逢った時、泣きながら縁、言ったんだ。ずっと一緒にいて!傍にいて!結婚して幸せなろう!って、しがみつきながら言ったんだ。」
縁の強い想いに、息をのむ。
そんな愛情は、相手と自分を苦しめる。
その反面、相手を想える縁を羨ましいとも思う。
「このまま一緒にいても、お互いダメになると思ったから、俺は離れたんだ・・・俺って、ズルいよな・・・?」
圭一は、グラスの中身を一気に飲み干す。
ズズッ・・・
鼻をすする音
本当に縁の事が、好きだったんだ・・・
そして、仕事を選びながらも傷ついてる。
どんな行動が正しいのか分からないから、胸が痛い。