エンドロール
「つまり、御堂は宇都宮マキこそが適合者だと気がついたわけだ。」
これに気がついたときは御堂はさぞ歓喜したであろう。上手くいけば、薬の適合者と薬の開発者が手元に収まるのだから。
その後、すぐに裏取引か何かで宇都宮マキを手中に収め、人体実験を推し進めた。
そして、それを知った小宮が御堂の狙い通りのこのこと研究所に姿を現した。
「だけど、マキちゃんは死んでしまっているわ。」
「つまり、研究は失敗したか宇都宮マキが初めから適合者ではなかったのだろう。」
それに未だに御堂が闇オークションで子どもを買っていることから考えて研究自体は完成していないことは容易に想像できる。
「そんな…。それじゃあ、マキちゃんはただ小宮を誘き寄せる道具にされたにすぎないじゃない。」
研究が完成されなかったのはよかった。
だけど、そんなポイ捨てするような残酷なやり方は決して許されるようなことではない。
とても心中穏やかな気分にはなれない。
私が想像以上に悲惨な話に頭を痛めているときに、高城さんが入れ直して、目の前のテーブルに置いてくれたコーヒーを手に社長は呑気に優雅にそれの漂う香りを楽しんでいる。