エンドロール
「い、痛い。放して。」
ガタイの良い男二人に腕を掴まれて連れてこられたのは事務所の空き部屋だろうか。
6畳くらいの広さと天井近くに外の空気を入れ替えるためだけに存在する申し訳程度の小さな窓。
古びたアルミニウムの窓枠にたまる大きなほこりが長く使っていない雰囲気を演出している。
閑散としていてテーブルとベットしかない部屋に背中から押し入れられた。
いや、正確には放り入れられた。
その反動で床に勢いよく倒れこむ。その証拠にお尻を強く打ち付けたのか、鈍い痛みが後を引く。
「高城さん、お願い。まだやらないといけないことがあるの。
こんなところでじっとしている場合じゃないの。」
部屋に放り込まれたものの素直にわかりましたと大人しくできるはずもない。
男たちと一緒に部屋に押し込まれるのを見送りに来た高城さんに私はなんとか自分も動けるようにしてもらえないかとお尻を労わる間もなく、必死に懇願した。
「菊池さん。私は社長の言うことにしか従いません。
だけど一つ言えることは、あなたは少々大事なものが抜け落ちているようですね。」
「…え…?どういう…?」
「環境がそうさせたのでしょうが、とにかく今は社長の言う通りここで大人しくしている方が賢明です。」
「そんなの聞き入れられないわ。」
高城さんが何を言いたいのかはわからないが、とにかくどうすれば閉じ込められまいか考えることで頭がいっぱいである。
「……はぁ。」
高城さんは右手を額にやり頭を抱える姿勢をとり、大きなため息をついた。