エンドロール
だけどこんなことで大人しくしていられるほど素直でいい子ではない。
ここから出る術がないか部屋を一通り見渡す。
だけど、人ひとり通るのも難しそうな小さな窓に鉄格子越しに備え付けられた換気扇。
こういうときスパイ映画だと排気口から脱出するシーンになりがちだが、現実問題そんなの無論無理だ。
やはりそんなに都合よく脱出できる術が見つかるはずもなくすぐに断念。
そのまま壁に凭れ掛かってその場にへたり込んだ。
こういう静かで一人部屋にいるのは嫌いだ。
狭い部屋に籠っていると一人社会に取り残されていくようで思考がどんどんよくない方向に陥っていくからだ。
そういえば静かな部屋に一人取り残されるのはいつぶりだろうか。
そんなに時間経っていないのにかなり前のように感じられる。
私はこんなところで何をしているんだろう。
必ず自由な世界に連れていくって約束したのにこれじゃ何もできない。
社長の力を信用してないわけではない。
むしろあの人ならきっと何とかして見せると思う。
ただ単純にまだできることがあるはずなのにこんなところで何もせず事の終わりを待っているのか。
あぁやはり私は肝心な時に何もしてやれない役立たずなのだと思い知らされる。
一人部屋に閉じ込められ、自力で外に出ることも出来ず、秒を刻む時間を感じさせないほどにシンとしているのがまた余計に世界から隔離されたような気分にさせる。
今できることといえば、窓から差し込める午後の光が徐々に薄らいでいくのを部屋の片隅で身を小さくし、黙って眺めることでどのくらい時間が経ったのか確認するくらいだった。