エンドロール
「ま、今日は体調もよくn…「私らしいってなんですか?」
「え?」
「今日会ったばかりなのに随分知った様なこと言うんですね。
あなたになにがわかるって言うんですか。」
「まぁ、確かに今日会ったばかりだし知らないことの方が多いけど…。」
「ちょっと助けたからってヒーロー面していい気にならないでください。」
「火灯…お前もう疲れてんだよきっと…もう休め…。」
少しでも落ち着かせるように灯の背中にそっと手を添えた。
「気安く触んないでください。」
だけど灯はそれを許さず、こちらを全面拒否するかのように振り払った。
「わ、悪い…。」
人間誰しも知られたくないことの一つや二つ持っているものだ。
特に火灯の布団に小さく蹲った後ろ姿を見ていると心の奥底には何重にも鍵をかけられ固く閉ざされた檻が存在していて、誰にも触れないように、誰にも触れさせないようにその檻の中で背中を向けているもう一人の火灯がいるように思えた。
過剰な人との関りを避けたり、一定の距離感を崩さないのはきっとこのもう一人の火灯がいるのを悟られまいという気持ちからなのではないだろうか。
「すみません。今日はもう休むので一人にしてください。」
そう言ってオレに背中を向けたままベッドの上にコテンと寝転がった。
「あぁ。後で何か食べられるもの持ってきてやる。」
「…………。」
「おやすみ。」
火灯といい地雷女といい、なぜこうもオレの周りにいる女はこうも気の強い奴ばかりなんだ。
一度もこちらを見ようせずそれ以上何も言葉を発さない火灯を横目に部屋を出たのだった。