エンドロール
「良い写真ですね。」
「このころ私は病気がちでよく康生に無理するなって怒られてたんです。」
昔を懐かしむような目で語る。
「先生は昔からあなたを大切にされていたのですね。」
何かを思い出したのか彼女が唇を少しだけ横に広げるようにしてクスリと笑みを零した。
「彼ね、昔から私のことが大好きなの。」
「の、惚気ですか。」
想像もしていなかった突拍子もない言葉に吹き出してしまいそうになった。
「彼には私がいないとダメなのよ。」
彼女は冗談めかしい言い方で陽気に言い放つ。
「昔、校舎裏に呼び出されたことがあったの。相手は彼のことが好きな女の子たちだった。」
「それはまた…。」
どの時代でもそういった絵に描いたような光景はあるものだ。
「彼、昔から随分モテてたみたいで、私がいないところでも何回も告白されてたのは知っていたから別に驚きはしなかったわ。
それに、彼に近づくなーって平手打ちされたり突き飛ばされたり漫画やドラマに出てくるワンシーンそのまま描いたかのようなことが起こって逆に少し楽しんでた部分もあったの。」
身体が衰弱しきっているため、か弱そうに見えるが本来彼女は肝の据わった女性なのかもしれない。