エンドロール
「社長。起きてよぉ。」
これ以上近くで社長の綺麗な顔を見ていると心臓が持たないと強く身体を揺する。
「………。」
ほんとに寝てないで詳しく説明してほしい。
どういうことか皆目見当つかない私をよそに未だ眠り続ける社長。
ここまでして起きないのは一体どうなっているのか。
「ちょっといい加減起きて!!」
何度も言うようでしつこいが本当に無駄に綺麗な顔をしている。いつもは目つきが悪いのと無駄に整った顔つきも相俟って威圧感の方が勝っているけれど、こうやって眠っている姿からは全くそういうものは感じられない。
そして、彼の顔を眺めていると昨日のことを思い出す。
彼の指が私の頬に触れたとき、あまりにも不意打ちをつかれた表情をするものだからつい固まってしまった。
今まで、あんなに優しい表情を見た事がない。あんな大切なものを見るような目。
なぜ、彼が私にあんな表情を見せたのかわからないが私にもまだ律以外に心配してくれる人がいた。
相手が裏社会の帝王だと言うことは置いといて、なんだかむず痒いような懐かしい気持ちが呼び起こされたような気がした。
「おはようございます。」
「た、高城さん!?」
物思いにふけっていると思わぬ方向から声がした。
声のした方へ振り替えると、平然とした面持ちで部屋の入口に高城さんが立っていた。
「随分仲良くなられたようで何よりです。」
クイッと右手中指で眼鏡のポジションを直す。
「こ、これは別に…いつまで寝てんのよっ!!」
いつまでも離してくれない社長に痺れを切らして、私の身体を囲む彼の腕を強く抓った。
その瞬間、痛みでさすがに起きたのか社長は身体をビクッとさせた。