エンドロール



「おい。聞いてるのか。」

「彼女自身が元々身寄りのない子どもだったってことはないかしら。」

「そうか。」


「弘原海夫妻の娘も3歳の頃に孤児院に預けられているわ。彼女が本当は小宮の血縁者だとしたら書き換えられているのも合点がいくわ。」


彼女がもし弘原海夫妻の娘だとしたら、なぜ孤児院でメイドなんてやっているのだろうか。

それに一つ大きな問題がある。


「そもそも弘原海康生が何とかっていう賞を獲ったの10年位前のことだろ。その前にガキが出来ていたとしても、計算が合わねぇ。」

さすがに気づいたようだ。

彼女は今、16歳。一方、弘原海夫妻の娘の方はどこかで生きているなら11歳のはずだ。全く採算が合わない。

結局どれもこれも憶測でしかない。不確定要素が多すぎる。


「このことはもう少し私の方で調べてみるよ。薬のことも然り、わかり次第また連絡するわ。」

「あぁ。頼んだ。」

「それよりあなた今どこにいるの?」


ときどき電話口から車が行き交う音がする。

トシは今孤児院に潜入中のはずだ。

車の音なんてするはずない。




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