エンドロール
「おい待て。やめろ。」
だけど、弘原海は本当にやりかねないと判断したのか、顔色を変えた。
「お前とは無関係なんだろ。だったら、どこでどうなろうとお前が止める理由はないよな。」
「京華に手を出すな。」
机を両手で強く叩いて、勢いよく立ち上がる。
その大きな音に私はビクッと身体を震わせた。
「ほう。安心しろ。何もしていない。今はまだな。」
アクリル板ギリギリまで近づいてこちらを鋭く睨みつけてくる。
「ただし、お前がだんまり決め込むのなら話は別だ。女の安全は保障しかねる。」
しかし、社長はその動作に一切物怖じせず、全く体勢を変えずに平然と話を続ける。
「ふ…ふはははは…。」
何がおかしいのか突然笑いだした。そして、力が抜けたかのようにまた椅子へ腰かけた。
「さすがは水嶋組組長の跡取り。噂に違わぬ冷酷さだ。」
今度は、今にも殴りかかってきそうな気持ちを落ち着かせるかのように深く息を吸って吐いている。
私たちは、その様子を黙って眺めて弘原海の次の出方を待つ。