エンドロール



「質問に答えて。」

息を吐き切ったあと、平常心を取り戻した私はまた弘原海を真っ直ぐ見据えた。

「……………。」

だけど、小宮は一向に返事をしない。


「教えてください。薬のデータは今どこにあるのですか。」

「……………。」


幸い、未だ御堂に薬のデータが渡っていない。

だから、御堂より先に薬のデータを手に入れること。

これが我々の一番の防衛線となる。

これを私たちが先に手中に収められるかどうかで今回のこの命運がかかっていると言っても過言ではない。

御堂の計画を阻止するためには、やはり押さえておきたい代物の一つである。


「弘原海さん!!」

「……………。」


完全に口を閉ざしてしまった。


「もし京華さんがこのことを知ったらどう思うか考えたことはありますか。」


確かに、弘原海京華は薬の副作用で記憶が混乱している。

もしかしたら、このまま隠し通せるかもしれない。

だけど、もし彼女の記憶が正常なら今のこの状況をどう思うだろうか。

私ならきっと自分を責めている。

それに彼女は弘原海を案じていた。

だったら尚更自分のせいで夫が道を踏み外していることに責任感を感じるだろう。




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