エンドロール
「いいえ。マキちゃんは間違いなく生きています。」
そんなことよりも弘原海の驚きの表情には疑いの目を向けていたが、その中には安堵や期待といった感情も含まれているように見えた。
その期待の目は娘に対して向けられているものなのか被験体に対して向けられているものなのかこれだけでは判別できない。
だけど全く目を合わせようとしなかった弘原海がこちらをジッと見つめている。
どちらにせよ固く閉ざされた扉が少し開いたような手応えを感じた。
世間を騒がせた女児の白骨死体はマキちゃんを死んだと見せかけるための御堂による偽装。
あれは、宇都宮マキのものでもなんでもない。
彼女に似た骨格の全くの別人。
どうしても弘原海を自分の手元に戻したかった御堂が仕掛けた罠だったというわけだ。
「そして、マキちゃんはあなたの娘、弘原海火灯さんで間違いありませんね。」
実はついさっき、ここに到着する前に社長を介して専門家に調べてもらっていたトシに渡されたあの薬の鑑定結果がでた。
その結果、薬はLH-RHアナログ。成長を抑える薬だと判明。
なぜそんな薬を彼女が服用していたのか。答えは簡単だ。
弘原海は娘を被験体として孤児院へ送った。まだ幼い身体では耐えられない為、人体実験を行える適齢になるまで手元から遠ざけた。
つまり、火灯は人体実験の犠牲者で度重なる実験と不死研究でなんとか命は取り留めたものの研究の後遺症で成長してしまう身体を薬で抑えていたのだろう。
つまりは、彼女の本当の年齢はおそらく11歳。
そして、これで宇都宮マキは弘原海火灯だと結び付けるには十分である。