エンドロール
「マキちゃんが京華さんとの子だからあなたは孤児院へ行った。人体実験の被験体としての運命を辿り、残された時間が僅かな我が子と過ごすために。違いますか。」
私は最初、自分の子を研究に利用するくらいだから娘がどうなろうと興味がないだろうと考えていた。
だけど、単に被験体としてしか見ていないのなら呼び寄せるかそれこそオークションで競り落としてしまえばいいだけのこと。
だけど、小宮はわざわざ孤児院へ出向いて一緒に時を過ごした。
これは何を指しているのか。
我が子として最後に一緒に過ごしたかったのではないだろうか。
もちろん愛情がこれ以上深くなる前に研究をすすめることもできたはずだ。
だけどそれをしなかったのはきっと今まで親らしいことをしてやれなかった罪滅ぼしのつもりだったのか。はたまた実験直前で惜しくなったのか。それは本人にしかわからないことであるが、火灯は小宮が愛してやまない京華が命がけで産んだ子どもだ。
さっきの反応といい、私の考えが正しければ弘原海はきっとこう言うだろう。
「火灯は……火灯は今どこに?本当に無事なのか?」と。
ずっと確証がなかったが、これで確信を得た。
弘原海はちゃんと娘に対して愛情を持っている。
それが、特殊な環境と異常なまでの妻への執着が歪ませてしまった。
そう考えると弘原海に同情しないこともない。
「その答えはあなたの返答次第です。」
同情できることとこちらの情報を教えるのは別問題。
「どうやら私は君を見くびっていたようだ。」
弘原海も私の魂胆に気づいたようで、フッと鼻で笑った。