エンドロール
「だったらどうすればよかった。黙って京華が死んでいくのを見ていればよかったのか。」
「違う。彼女、お前を愛してると言っていた。殺人の容疑で捕まっても尚、愛してると言ったんだ。この意味わかるか?」
「だからなんだというんだ。愛なんかで京華を救えるのか。」
「そうじゃない。彼女はお前を信じているんだよ。なのに、こんなところでなにしてるんだよ。お前が彼女の傍で支えてやらないと誰が彼女のことを支えてやれるんだよ。」
薬とか人体実験のこととかそういうのは抜きにして、取り返しがつかなくなる前にちゃんと彼女のそばにいてほしい。その気持ちは社長も同じのようだ。
「そんなことはオレと京華の問題だ。他人のあんたらにとやかく言われる筋合いはない。
もういいだろ。話すことは話したんだ。さっさと火灯がどこにいるのか教えろ。」
「まだよ。薬のデータはどこ?」
「そんなものはない。」
「弘原海さん。御堂と何を企んでいるかはわからないけれど、これ以上罪を重ねないで。薬のデータをどこに隠したのか教えてください。」
「だからないって言ってるだろ。」
「いいえ。あるはずよ。だってあなたはまだ京華さんを諦めてないもの。」
ここに収監されるときの手荷物にそれらしきものがあった記録はなかった。
つまり、ここではないどこかにあるのは明白だ。
「……………。」
弘原海はそれ以上話そうとはしない。
「おい、美紅。彼女のこと教えてやれ。」
それを見かねた社長は私に欲しがっている情報を渡すように仕向けた。
「でも……。」
だけど、本当に教えていいのか躊躇する。
「いいから。」
納得できない気持ちをもちつつ、社長の判断だから素直に従った。