エンドロール




「彼女は……。」


本当にいいのかと視線だけで社長に確認する。

だけど社長は何も言わず、私が口を開くのを待っている。


「火灯さんは今例の孤児院でメイドとして働いています。」


私はもう知らないと弘原海火灯の現在を父である弘原海に伝えた。


「そんなバカな………。」


信じられないという表情でしばらく呆然としていた。


「あなたならこのことがどういう意味を指しているのかあなたならわかるはずです。」

「………………。」


弘原海の指示ではないのなら簡単だ。

弘原海火灯は御堂の傀儡だ。

そして、きっと御堂は孤児院に薬のデータがあると踏んでいるのだろう。

孤児院にあると推測するなら仙道に頼みそうだが、あくまでも子どもの売買取引の関係なのだろう。

不死の薬のデータなんて最重要機密事項が仙道の城にあるかもしれないなんて弱みを握らせるも同然の行為だ。

だから、働き口のあっせんと称して研究のことを知る弘原海火灯が孤児院にメイドとして潜入させたのだろう。


それはつまり、人体実験の片棒を担がされているのと同等の意味を表している。





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