「視えるんです」
「無事に送りましたので、もう大丈夫ですよ」
おばあさんを連れて戻ってきた先生は、いつもと同じように笑った。
チエちゃんに見せていたような笑顔ではなく、いつも通りの先生だ。
「ありがとうございます、先生。 なんとお礼を言ったらいいか……」
「いえいえ、仕事ですから。 じゃあそろそろ失礼しますね。 チエちゃんの絵、大事にしてあげてください」
「ありがとうございます……本当に、ありがとうございます……」
ポロポロと涙を流すおばあさんに、先生はニコッと笑って頷いた。
その後すぐ、私たちはおばあさんの家を出ることに。
その時おばあさんは、先生に何か大きな箱の入った紙袋を渡そうとしていたけど……先生はそれを丁寧に断り、頭を下げた。
「また何かありましたら、連絡ください」
そう言い残し、先生は車の中から手を振った。