「視えるんです」


来た道を、引き返す。

その時もまた、先生はタバコを吸っていたけど……口数は少ない。




「あの、先生……」

「あ?」

「これが、GSの仕事……?」

「あぁ、うん。まぁそうだな。 想像してたのと違うか?」

「……はい」




ゴーストスイーパー……先生は『退治屋』と言っていたから、もっと怖い霊を相手にしているのかと思った。

でも実際は、小さな女の子の霊……。

あめ玉をあげ、優しく語りかけ、お父さんとお母さんの元へと促す。

正直、想像していたのとは全く違った。


先生はタダ働きはイヤだとか報酬がどうとか言っていたけど、あのおばあさんからは何も受け取っていないし……本当にもう、ビックリするくらい優しかったし。




「先生って、あんな優しい顔出来るんですね」

「なんじゃそりゃ。俺はいつも優しいだろーが」

「いえ、全然。普段は意地悪な最低教師です」

「おい、最低教師は余計だろ」




最低教師は余計、って。 意地悪なのは認めちゃうんだ……。

と、苦笑する私に、先生は話し出す。




「あの子は、8ヶ月前に事故に遭って死んだんだ。
お父さんお母さんと3人で、あのばあちゃんの家に行く途中でな。
運転席と助手席に居た両親は即死。後部座席に居たあの子は病院に運ばれたあとに死んだ。
その辺がまぁ、『上』へ行ったかどうかの違いかな」




……チエちゃん、言ってたっけ。
おじいちゃんが居なくなったあと、おばあちゃんの元気がない、って。

だからチエちゃん家族は、おばあちゃんのおうちへと行こうとしたんだろう。
元気のないおばあちゃんに、笑顔を取り戻してもらいたいから……。

だけどその途中で事故に遭い、おばあちゃんに会うことなく、亡くなってしまった……。


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