「視えるんです」


………

……




その、2時間後。

3時間かかると言われていたのに、到着まであと10分ほどらしい。

……どのくらい飛ばしたんだろう。 恐ろしや。




それから私たちは、墓地そばのコンビニでトイレ休憩をし、お供えするお饅頭なんかも買った。

……そういえば、お花を買うのを忘れてた。

ということで、これまた近所にあったお花屋さんで、お供え用の花を購入。

ようやく、墓地へと出発だ。




……先生は、いつもと同じ顔で馬鹿みたいなことを言ってくる。
私が眠ってしまう前のやり取りなんて、忘れてしまっているかのように。

だから私も何そのことについてはも言わなかった。
というか、上手い言葉が見つからなかったのだ。


生きている私がするべきこと。
それがわかりながらも、やっぱりまだ、躊躇してしまう部分がある。

……もう少し、色々考えよう。

考えることが、『自分を大事にする』というものに繋がるような気がするから。



そんなことを思いながら、隣に座る先輩に視線を送る。


すっかり目が覚めた先輩は、私の視線に気付き、にっこりと優しい笑みを浮かべる。

それに対し、私もそっと、小さな笑みを浮かべた。


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