恋愛のやり直し方
「さ、俺の話はいいから。中入ろう」



「あ、はい。よろしくお願いします」



「うん」と頷いて私の手を取った立花さんが、今日は身近に感じられる。



いつもは、仮面を何枚も付けたアンドロイドみたいだけど、

今日の立花さんは血の通った痛みを知る人間らしく見える。





「俺にだって誰かを幸せにできるってトコ、綾で証明したいんだけど?」



真新しいエントランスを抜けて、エレベーターに乗り込むとすぐに私に向き合うように立って、私を両腕に閉じ込めた。




近づく立花さんのキレイな顔。





「た、立花さん!じ、冗談やめてください」


ポンと目の前の胸を押してみる。
だけど、1ミリも動かない。




「冗談じゃないって、どうしたら分かってくれるの?」



近づいた顔は、右肩にジワリと重みを感じさせる。




「そ、それは……私自身の問題で、立花さんがどうの…というコトでは無いんですけど」



「うん。じゃあ、変わって」





ずっしりと重くなった右肩。
耳にかかる吐息がくすぐったい。



「そ、それはーー」




カタン



突然エレベーターが止まった。






「チッ。最上階にしとけば良かった」という立花さんの言葉は聞こえないふりをした。
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