M√5

「あいつ、何があっても泣かなかった。
 たとえ一方的に殴られても、理不尽なことで怒られても、バスケの試合でボロ負けになっても」


倫生の小さくて穏やかな声を聞き漏らさないよう、私と深樹斗は無言だった。



「……でも、一度だけ……」



そう言った途端、倫生の目から涙がこぼれ落ちた。


それを無かったことにするかのように、また話し始める。



「……俺らには、親友がいたんだ。
 小学校入る前から、俺ら3人はいつも一緒にいた」


……親友。


その言葉が、何故か胸に響いた。



「……中3の時。



  ……死んだんだ」


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