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「……葬式で。
あいつが命懸けで守ったギターが渡されたんだ。
……将人に」
ぽろぽろと、『汗』は止まることなく流れてくる。
「あいつのお陰で、ギターは無傷。
十分に弾けたんだ。
そのギターを持ってあいつは……俺のところに来て。
……世界一有名なバンドを組もうって……そう言って、走ってったんだ」
倫生からも深樹斗からも私からも、『汗』が出続けている。
「あいつはそのまま、いつも俺らが練習してた地域の小さい公民館の部屋に行って。
中から鍵を掛けて……泣き続けてた。
……誰にも姿を見せずに」
そう言い倫生は無理やり目元を拭った。
「……そういう奴なんだ」
そして、穏やかに笑った。