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「夜、しっかり寝た?」
「はい」
「朝は? ご飯食べた?」
「……いえ。でも、朝はたまに食べない日もあるんで……」
まるで尋問を受けているかのように、淡々と事務的な会話が行われる。
「それはダメね……と言いたいけれど、仕方ないわよね。
私もあるもの、そういう日」
うなづく代わりに、メロンパンを大きく噛じる。
「何か悩みとか……ある?」
ずばりと言い当てられ、残り小さくなったメロンパンをベッドの上で転がす。
慌てて拾い上げ、ベッドを軽く叩く。
意味ないと分かりつつも、メロンパンに息を吹きかけ、埃を飛ばそうとする。
「……図星ね。わかり易すぎる、七瀬さん」
クスクスと笑いながら、最後のマスに黒い石を置く。
なんと、盤上の全ての石が黒になった。