M√5

「悩み、っていうか。
 なんで悩んでんのか、私でも分かんないんですけど……」


メロンパンの最後の一欠片を口に放り込む。


パソコンに、『Congratulations!』の文字が出る。


そして今度は、紙パックのオレンジジュースが飛んできた。



「ふぅん。青春だねぇ。
 どう? こんなのしてみない?」


意味深に笑って、佐伯先生は、近くにあった小さい箱のようなものを手に取った。


中はトランプのようで……それがタロットカードだと分かるまでは随分時間がかかった。



「最近、こういうのハマってんのよね」


佐伯先生の多趣味ぶりは、有名だった。


しかも、その趣味のほとんどはほぼ完璧にこなす事ができる。


リバーシも、その一つだ。



先生はタロットカードを取り出し、シャッフルを始めた。


パソコンをぱたりと閉じて、カードを広げる場所を作る。

< 77 / 154 >

この作品をシェア

pagetop