M√5
Aメロが始まり、深樹斗が歌いだす。
相変わらずいい声で、観客の方からため息が聞こえる。
でもやっぱり緊張からか、声は震えているし、音もちょっと低い。
……頑張って、深樹斗。
それでも無事、Aメロは綺麗に終わった。
Bメロは、輪唱するように、私と深樹斗でハーモニーを作る。
ここのリズムが難しくて、何度も何度も繰り返した。
そこは、何の問題もなくクリア。
努力がきちんと結果に繋がって、私はやっと少し安心できた。
みんなで呼吸を合わせて、サビに入る。
一番盛り上がるサビでは、ついお客さんのことを忘れて、全力で歌ってしまった。
M√4の、全体の緊張が解けた気がした。