賭けで動く恋

「で?どうなのよ」

「どうって何がです?百合さん」

「神谷さんの事好きなの?嫌いなの?どっち」

「どっちと言われても……」

モデルを始めて2ヶ月経った2月の初旬。

1人暮らしの百合さんのアパートで作品を作る手を止めずに聞いてきた百合さんに、この2ヶ月の事を思い出して「いい人、だとは思います」と呟いて出来上がったばかりの桃の節句にちなんだ兎のお内裏とお雛様のぬいぐるみを箱に入れた。

そう、淳さんはとてもいい人だ。
私にはもったいない位に。

初日以外、服装に無理強いはしないし、寝不足や女性特有のもので体調が悪い時は何も言ってないのに何故か気付いて休みにしてくれたり、スープも冷めない距離なのに毎回送り迎えしてくれる。
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