賭けで動く恋

深々と振る雪を赤い蛇の目傘で受け止めて、もう片方の手に作ったばかりのチョコチップクッキーの入った箱を持って、おやつ時の午後3時すぎ、私は淳さんの家に向かっていた。

百合さんに言われた『後悔だけはするな』の言葉に少しだけ、もう少しだけ歩み寄ってみようかと思った。

今日、明日とモデルは休みだから明日作って明後日のモデルの日に持っていけばいいとは思ったけど、モデルの日は休憩の時以外ゆっくり話す時間がないから……。

個展まで後2ヶ月をきったから忙しいだろうけど、もっときちんと淳さんの話を聞きたかった。


忙しそうならクッキーだけ渡して帰ろう。それで明後日に出来るだけ色々聞いてみよう。
迷惑になりたい訳じゃないから。


傘を閉じて緊張で震える指先でチャイムを鳴らす。
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