賭けで動く恋
「ハッ。兄さんがご執心の女がこんな低レベルの女だとわね。
兄さんったら何を考えてるのからしら」
女性から出た『兄さん』の言葉に、何時だったか休憩の時に淳さんが私の1つ歳下の妹がいる、と言ってた事を思い出した。
「淳さんの妹さん、ですか?」
「そうよ。わざわざ来てくれて、こっちから行く手間が省けたわ。単刀直入に言うわ。
モデルを止めてもう2度と兄さんに会わないで」
冷ややかに告げられた言葉の内容に白くなる頭。
それとは裏腹に口が勝手に動く。
「どうして貴女にそんな事を言われなければならないのですか」
平淡な私の声に、彼女は顔を思い切りしかめた。
「はぁ?何あんた、兄さんが執着するからって図にのってんの?
あんたみたいなブス、兄さんに釣り合う訳無いじゃない。
個展に出す20点のうち8割りはあんたを描いた絵じゃない。
お客様にしてみればあんたの絵だけの個展なんて面白味に欠けるわよ。
と、言うわけでもう用済みよ」