賭けで動く恋
「用…済み……」
『用済み』 要らなくなったもの。
左肘を押さえて呆然とする私に、彼女は「あ、ちょっと待ってて」と言って何処かへ行き、1分程で手に白い封筒を持って戻ってきた。
「はい、これ今までのモデル料。
じゃ、お疲れ様」
ガラガラと戸を引く音にハッとして手をかけた。
「待って下さい」
「何」
虫を見るような目に怯みそうになったけど、彼女に言われた通りにもう淳さんに会わないなんて出来ない。
このまま私より大きな手に触れられないなんて、
あの熱を孕んだ瞳が見れないなんて、
背中を粟立たせる低く甘い、私に愛を告げる声が聞こえないなんて、
そんなの考えただけで胸が苦しい。
ーーー私、淳さんが好き。