賭けで動く恋

午後の9時を少し回った頃、小さく音を立てたドアに鼓動が早まった。

「お疲れ様です、淳さん」

「ただ今、恵実さん」

ドアが閉じてすぐに閉じ込められた腕の中、胸元についた手のひらに早く脈打つリズムが触れて、淳さんも緊張してると分かって固くなっていた身体から力が抜けた。

「バスローブなんて……。私に抱かれるのを期待していたと思ってもいいですか」

「んっ!」

耳朶を甘噛みされながら言われた言葉に不安が襲う。

着物のままだと、その…大変そうって言うのもあったけど、淳さんの言った通り早く触れられたいと思ってシャワー浴びて待ってた、何てはしたないよね。

その考えを淳さんが知ってるはずないけど。

おそるおそる淳さんを見上げようとした時、背中と膝の裏に力が加わって足が床から離れた。
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