ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
「家の番号知ってるんだっけ?」
「知ってるよ! 掛けてみる?」
「頼む」
携帯を耳に当てる。沙奈の表情が1秒ごとに険しくなっていく。
「……あれ?」
画面を確認しては、また耳に当てた。
「なに?」
「途中で……切れた」
「ぇ、それって、電話線を抜かれたってこと?」
「うん、多分」
「クソッ……」
連絡が取れなければ、迂闊に動けない。
「もうすぐ明日になる……」
俺は焦っていた。
「あ、そういえば!」
いきなり、沙奈がなにかを思い出したように俺の腕をつかむ。
「どうした!?」
「本当は今日、由香里の家にお泊まりするはずだったの。両親が田舎に帰省していないからって」
「じゃあ、電話線を切ったのは……」
「由香里?」
沙奈は首を傾げながら言う。
イヤな予感がした。
もしも由香里じゃなければ、家に他の誰かがいることになる。
とっさに、掴んでいた手を握る。
そして、無理やり連れだした犬の散歩のように引いて歩いた。
「敬太……?」
「学校をサボッたし、もうこんな時間だ。沙奈は家に帰った方がいい」
「ャ……」
「駅まで送るから!」
「イ・ヤ!!」
渾身の力で手を振りほどかれる。