ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
「はいはいはいはい! そこまでやー!」
突然、背後から現れた男。
「い、今川さん!?」
さっきまで一緒にいた刑事だった。なぜか、いつも前にいる浦野はいない。
「誰だよ、アンタ!」
「オレか? 口で言うよりこの方がわかるやろ」
スーツの内ポケットから出したのは、あの、金色の紋章の着いた手帳。
「け、刑事!?」
「そや!」
男たちは一斉にたじろぐ。
その様子を見据え、今川は決して声を荒らげることもなく淡々と話しはじめた。
「お前、いくつや?」
「……ハ、ハタチです」
「ホンマか?」
「はい……」
さっきまでの威勢はどこ吹く風。
「なら、この女の子が18やって知っとって酒飲ましたんか?」
「いいえ! 知りませんでした」
「ホンマかー?」
「…………」
黙秘する顔はあきらかに追いつめられていた。
今川は一点を指差し、さらに問う。
「で、あのカメラは、なんや?」
「…………」
「本来やったら、実刑食らってもおかしないで」
「じ……」
最後は、金髪頭の肩に手を置き、優しい口調で制圧する。
「しゃーない。特別に見なかったことにしといたる」
「え!?」
「せやけど! “飲んだら乗るな”や。車と原付はここから一番近い署で保管しとくさかい! 鍵は付けとき、えぇな?」
「は、はい」
こうして男たちは尻尾を巻いて逃げていった。