ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】



「泣き叫ぼうが、
ズズズッ――  

ザザザッ――
お前たちの、
  ズズッ――

声なんざ、

ザザザザザッ――

誰も聞いちゃいないさ!」

「ん!?」

……この音……。

庭の芝生を這いずるなにか。

その正体は、時間が証明してくれる。

「3時12分……」

「そや! お前たちの死ぬ時間や」

ズズズッ――  

ザザザッ――

「んん? なんや?」

今川も気付いた。

異様な殺気を伴って近付く存在に……。

ズッ――

     ザザザザザッ――

「風が、……止まった?」

俺の言葉を確かめるべく、全員がカーテンを見つめる。

すると……。

「ま、磨理子さん……」

カーテンの下、10センチほどの隙間から、ゆっくりとくぐり抜けて姿を現す磨理子。

「いいい今のは、なんや!?」

どうやら、彼にその”姿”は見えないらしい。

トッ――トンッッ―― 

  チュルルッ――

血の海を泳ぐように進み、うしろに赤い尾を引く。

「ああ゛……わわっ、どどないなっとんねん……」

自分へと迫る鮮血に恐れおののく今川。

ツュルルルッ――

    トンッ――トッ――

 チュルルルッ――

――ドタッ!

今川は腰を抜かす。

そのすぐ傍で、磨理子は彼を見あげていた。




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