ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】



沙奈の通報によって駆けつけた警察官。

着くなり、

「消防だ! 消防を呼べ!」

と大声を張り上げる。

程なくして、すべての緊急車両が到着した。

由香里を乗せたときにはもう、絶望的な状態だった。

けたたましく鳴り響くサイレンに、住宅の明かりが次々灯っていく。

家の火が鎮火したのは、朝の5時前。

すぐさま警察と消防の現場検証が始まる。

俺たちは、向かいの家の前で、呆然自失のまま座りこんでいた。

「ちょっといいかな?」

神妙な面持ちで話しかける刑事の名は、宇治木と言った。

「まずは女の子の件だけど……自殺でまちがいない?」

「「…………」」

俺と沙奈はまるで計ったように口をつぐむ。

信頼していた今川に裏切られたあとだ、簡単にすべてを曝けだせない。

「最期、彼女は、なにか言ってなかった? 自殺をほのめかすような言葉とか」

すると、沙奈が小さくつぶやく。

「ツギハオマエダ」

「え!? ごごめん、もう一回!」

突拍子もない言葉にたじろぐ宇治木。

「…………」

沙奈は、心を閉ざしたように下を向く。

彼女にその言葉を聞かせないよう、ひとりで由香里のあとを追うと決めたのに……。

結局は、沙奈がひとりで聞いたんだ。

……きっと、怖かっただろうな。

肩に手を回して引き寄せると、これまでの我慢を爆発させるようにむせび泣く。

「ああ……ぁのね、一応大体の検討はついてるんだ。合ってたら、うなずいてくれ」

宇治木の言葉に、俺の胸の中で、コクリとうなずく沙奈。

さすがは常に事件と向き合っている刑事だ。沙奈の首を横に振らせることはなかった。

「まとめると、田口由香里さんは手足にガソリンをかけた状態でここに戻ってきて、キミの目の前で火をつけた。……で、いい?」

「はい……」

「なるほど……っと」

そのとき、遠くから宇治木を呼ぶ声がした。



 
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