ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】



「ィ゛……ャ、敬太゛……た、助けて……」

「あと少し……がんばれ。俺を信じてくれ! もう少しだけ!」

泣くことしかできない沙奈の横顔が見えた。

その奥から、のぞきこむように磨理子が顔を出す。

「ッウ゛……」

心臓が止まりかけた。

今にも喰らいつきそうなその形相は、見る者すべてを凍りつかせる。

「ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛……」

沙奈の身体はガタガタと音を立てて震えていた。

「ヒック―う゛……うう゛」

いいや、ひとりだけいる。

怯える沙奈を嘲笑するように、磨理子の首は痙攣するように震えていた。

「息が……苦しい……身体が、重い」

「見るな!」

「なんで!? なにが起きてるの!?」

「いいから! 見ない方がいい……」

遊んでいるのか、俺たちの決意を試しているのか。


   ググググッ――


やがて、それに飽きると、磨理子は沙奈の背中から降りた。


ズッ――


      ザザザザザッ――


磨理子は、繋がれた小指を正面にして止まる。

……いよいよか。

終わりの儀式だ。

……早く、早く終わらせてくれ。

「頼む……」

「敬太ぁ!」

すぐ脇に、磨理子がいた。

おぞましい殺気。

「沙奈……」

そして……磨理子は俺たちの2本の小指を口に含み、鋭い歯を立てる。

「怖いよぉ……」

「こ、怖くなんかない! 俺たちは今から運命をともにするんだ! その誓いの儀式だと思えばいい!」

「……敬……太」

そのとき、磨理子は一瞬ニヤリと笑い……。


グジャバキバギバキッ!!


「ア゛ア゛ア゛ぁ゛!!」
「ギャ゛アァア゛ーー!」



 
< 147 / 161 >

この作品をシェア

pagetop