ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
「ィ゛……ャ、敬太゛……た、助けて……」
「あと少し……がんばれ。俺を信じてくれ! もう少しだけ!」
泣くことしかできない沙奈の横顔が見えた。
その奥から、のぞきこむように磨理子が顔を出す。
「ッウ゛……」
心臓が止まりかけた。
今にも喰らいつきそうなその形相は、見る者すべてを凍りつかせる。
「ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛……」
沙奈の身体はガタガタと音を立てて震えていた。
「ヒック―う゛……うう゛」
いいや、ひとりだけいる。
怯える沙奈を嘲笑するように、磨理子の首は痙攣するように震えていた。
「息が……苦しい……身体が、重い」
「見るな!」
「なんで!? なにが起きてるの!?」
「いいから! 見ない方がいい……」
遊んでいるのか、俺たちの決意を試しているのか。
ググググッ――
やがて、それに飽きると、磨理子は沙奈の背中から降りた。
ズッ――
ザザザザザッ――
磨理子は、繋がれた小指を正面にして止まる。
……いよいよか。
終わりの儀式だ。
……早く、早く終わらせてくれ。
「頼む……」
「敬太ぁ!」
すぐ脇に、磨理子がいた。
おぞましい殺気。
「沙奈……」
そして……磨理子は俺たちの2本の小指を口に含み、鋭い歯を立てる。
「怖いよぉ……」
「こ、怖くなんかない! 俺たちは今から運命をともにするんだ! その誓いの儀式だと思えばいい!」
「……敬……太」
そのとき、磨理子は一瞬ニヤリと笑い……。
グジャバキバギバキッ!!
「ア゛ア゛ア゛ぁ゛!!」
「ギャ゛アァア゛ーー!」