ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
「川本くんのことが好きなんだろ?」
――ザザザザザザッ。
佑美は足を地面につけ、急ブレーキ。
「はぁ!?」
どうやら図星らしい。
あきらかに動揺している。
「照れんなって! ……そうか。佑美のためにも、俺が川本くんから沙奈を奪うしかないな」
「…………」
不思議と、力がみなぎったような感覚。
「みんな! 今から缶蹴りやろうぜ」
俺はそう大声をあげると、近くにあった空き缶を高々と掲げた。
狙いはこうだ。
沙奈と一緒に隠れる
↓
ふたりっきりで話せる
↓
付き合える
完璧すぎる図式。
しかし……。
――カーーーンッ!
「またぁー!?」
もうかれこれ30分以上、俺は鬼だけをやっている。
「やめやめ! 次!」
鬼ごっこにかくれんぼ、まるで小さな頃からこうして遊んでいたように、みんなで走り、はしゃぎまわる。
いつの間にか日付が変わって、時計塔の時刻は午前2時50分を指していた。
こんな真夜中でも、どこかで犬の遠吠えが聞こえる。
「ちょっとちょっと、これは神様のおぼしめしかしら!」
佑美は興奮気味にポケットを漁る。
「なんだよ!」
みんなも次の言葉を待っていた。
「これよ! コレ!」
携帯の画面には、あの都市伝説。
「……あ~あ」
「それね……」
全員が忘れかけていた。
しかし、残るポピュラーな遊びは”ダルマさんが転んだ”のみ。