ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
そこには黒い塊が放置されていた。
電灯の下、闇を照らす明かりの端。
……さっきまで、あそこにはなにも……。
塊の後方には、重いものを引きずったような跡が克明に刻まれていた。
一切動かない、謎の黒い物体。
だが、おそらく”アレ”が動いているのだと、異様な音の正体だと、俺の第六感が告げる。
同時に、身の危険も。
「ただのゴミだろ?」
いつもの調子に戻った川本くんが、その塊から視線を外した途端……。
ズズッ――
「「「動いた!!」」」
物体は、生き物に変わった。
刹那、
「キャアァーー~ッ!」
と佑美の悲鳴が轟く。
まるで蝶になる前のサナギのように、異様な動きで前進してくる、”ソレ”。
……そうか!
一瞬で理解した。
もともとの”ダルマさんが転んだ”のルールどおり、鬼が振り返っている間は動かないようだ。
「ヤベェ! マジでヤベェよ!」
小泉は一歩ずつ後退。
「逃げろ!!」
俺はとっさに叫んだ。
その言葉を皮切りに、みんなが一斉に散る。