ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
「はいはい、辛気臭いのはヤメ! ほら、今日は川本くん、朝一からバンドの練習するって言ってたし、早く帰って寝たかったんだよ、きっと。そんなに心配することないって」
小泉の能天気さは、こういうときに助かる。
「だといいけど……」
沙奈はホッと胸を撫でおろすようにつぶやき、それがまた俺の胸を切なくさせた。
「さっき見た”アレ”もさ、ゴミかなんかを見まちがえただけだって」
「……かな?」
「だよね……」
「な! そんな気してきただろ?」
俺も含め、小泉の言葉に一様に若干の明るさを取り戻す。
「とりあえず、俺んちに帰ろう」
「そうだな!」
「「「うん」」」
俺の提案に、満場一致。
「…………」
かと思いきや、佑美だけはまだ浮かない顔をしていた。
好きな人が輪の中からいなくなったんだ。
自然とテンションが落ちるのは、しょうがないこと。