ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】



ハッとして目を覚ます。

目覚まし時計の秒針の音が、まっ先に耳へ飛びこんできた。

「4時47分……」

外はまだ暗い。
目の前の沙奈と由香里は、睡魔に負ける前と同じ体勢で眠っている。

俺はもう一度、川本くんに電話をかけてみることにした。

「あれ……」

携帯の電池が切れている。

「おい、借りるぞ!」

「ンガッ~!」

いびきをかいている小泉から暗黙の了解を得て、テーブルに置いたままのスマホを手に取る。

と、さっき撮ったばかりの写真が待受画面になっていた。

6人全員で、楽しそうにピースサイン。

なぜか、主役を差し置いて、まん中に母が写っていた。

シャッターを押したのは、無理やり引っぱりだされた父だ。

すでに、立派な”楽しかった思い出”。

「フッ」

それに笑って、再び川本くんに電話をかけた。

《プ―プ―プ―。プルルルルッ……》

「お、かかった!」

《プルルルルッ……。プルルルルッ……》

『はぃ……、もしもし』

あきらかに寝起きの声。

『か、川本くん!? 今どこにいるの?』

……よかった……。無事だった。

『えっ、どこだここ……線路……? ぁ、駅がある』

『なーんだ、駅の近く? その様子じゃ大丈夫みたいだね!』

俺は話しながら沙奈の顔を見つめていた。

もちろん友達の無事に安堵したのだけれど、少しだけ恋心がザワつく。

『う~ん……でも、なんで……、線路で寝てんだろ』

『えっ!?』


そのとき!!!!


――パアアァァーーンッッ!


 
< 29 / 161 >

この作品をシェア

pagetop