ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】



そこから先は口をつぐみ、目を逸らす。

「…………」

わかっていた、覚悟もしていた。

だけど、理解したくなかった。

どうか夢であってほしいと願っていたのに……。

「だ、大丈夫かい!?」

足の力がフッと抜けた俺は、刑事たちに抱えられて家の中へと入れられた。

そして、俺だけをリビングのソファに座らせると、彼らは視線を合わすように膝を曲げる。

「お友達の件は、事故と自殺の両面で考えてるんだが、ちょっとだけ不可解でね……」

まるで俺を子供扱いするように優しく問いかける浦野。

「不可解?」

「あぁ、事件の可能性も否めない。だからキミに、最近の彼のことを聞きたい」

……最近のこと。

フッと思い出すのは、数時間前の花火で見せた笑顔。

その川本くんが自殺などする訳がない。

だからっといって、事件に巻きこまれるようなヤツでもない。

「あの……、事件だと言うその根拠を教えてください」

「うぅーん、彼ね、ギターを持ってたんだよ。はねられる直前にそれで身を守ってる。自殺願望のある人間なら、そんなことはしないはずなんだが……」

やはり、あの破片は彼のギターの一部だった。

「……身を守った? じゃあ、彼は生きてるんですね!?」

即座に顔をあげ、身を乗りだす。

「…………」

が、浦野の顔色は瞬時に変わり、

「刑事さん……?」

黙って首を横に振った。

「電車に接触した直後は生きていたそうだが、30分後に……」

「……死んだ?」

今度は首を縦に動かす浦野。

どこかでわかっていたはずなのに、頭を殴られたような衝撃が走る。

「ギターが盾になって、胴体と頭部は守られた。だけど手足が……」

「……ぁ!」

瞬時に、あの掲示板が頭をよぎる。



 
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