ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
『あと28分の辛抱だ! 掲示板にはそう書いてあった。動いてもいい、だけど一切、視線を逸らすんじゃないぞ! もし視界から消えたら、すぐにうしろを見ろ! わかったか!?』
『わ、わ、わかったよ……早く助けにきてくれ!』
……小泉の家から一番近いコンビニ……、きっとあそこだ。
『待ってろよ。すぐ行く!』
俺が向かうその間も、小泉の荒い息が聞こえていた。
正直、俺も怖い。
昨日見たバケモノに、自ら向かっていこうとしているのだ。
でも……。
小泉を見捨てるわけにはいかない。
『ッ……な、なぁ?』
しかし、弱々しくかすれた問いかけに、思わず足が止まる。
『どうした!?』
『……今、動いたぞ!』
『は!? 動いた!?』
……そんなはずは……。
ズズズッ――
『ほらっ! 動いてんじゃねぇか!』
たしかに、聞こえる。
『ち、ちゃんと見てるのか!?』
『見てるよ、お前に言われたとおり……
ザザザザザッ――
……ちゃんと見てるのに』
『クソッ、なんでだ……』
ズズズッ――
『……まただ! き、聞こえるだろ!? もう、すぐそばまで来てる……」
……俺はまちがっているのか……?
恐怖に支配された頭で必死で考える。
『クソッ! わからねぇ……』
時間はまだ、3時10分。
『ッチ!』
考えるより、走るしかない。俺は再び走りだした。
すぐそばまで来ているのは、俺も同じ。
『今、行くから!』
と、左手を振り乱す。
ザザザザザザッ――
『……け、敬太、ダ、ダメだ! もう限界っ!!」
『小泉っ! あきらめるな!』