ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】



水曜日。

空席は、もうひとつ増えた。

花瓶がふたつになるのは、あまりにつらく、昼にはもともとあった川本くんの花さえもなくなっていた。

ウワサは一気に学校中に広まり、4組は”呪われた教室”というレッテルを貼られ、クラスメイトは誰も教室から出ようとしない。

不穏な空気が漂うこの空間で、じっとウワサの沈静化を待つしかないのだ。

学校が終わった夕方、クラス全員で川本くんの葬儀に参列した。

そして、今夜は小泉の通夜でもある。

佑美、由香里、沙奈。

制服を身に纏い、俺たちは厳かな雰囲気の中、川本くんの遺影の前に並ぶ焼香の列に立つ。

失礼のないよう、前の参列者の所作を見よう見真似で行った。

ふつふつと込みあがる悲しさ、そして悔しさ。

だって、そうじゃないか。

葬儀の礼儀作法なんて、ずっとあとに身に付ければよかったはずだ。

まずは結婚式に出て、いつか同窓会をやって、子供が何歳になったとか、そんな話をしながら酒を酌み交わす。

こんな別れは、その数十年先でよかったはず……。

だが、これではっきりした。

呪われし禁断のゲーム、”ダルマさんが転んだ”は本物らしい。

……となると、次の鬼は佑美だ。

今夜の3時3分までに、ただひとつの助かる方法を見つけださなければ。



 
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