ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
「警察は、科学的根拠のない”呪い”のために、捜査したり保護したりはしない。だから、どれも事故と自殺でしか処理できないのさ」
「そんな……」
「っていうのが、表向きの答え。しかし、この事件には大きな陰謀が潜んでいる気がしてならない」
「……陰謀?」
「あぁ。警察の上層部は”伊達磨理子”の名前に顔をゆがめる。必死で隠そうとするんだ。それが、報道規制の理由だ。きっと、そこに答えの断片があると、俺は思ってる。だが……」
「……見つからない?」
「そうだ。いくら探しても”彼女”の存在の痕跡が見つからないんだよ」
「僕も探しましたよ。それこそ必死で」
浦野は黙ってうなずくと、大きく息を吐いた。
「この事件を深追いするなと上は言う。確実に裏がある証拠だ。……なんだか久しぶりに武者震いがするよ! 必ず真相を掴んでみせる」
浦野は手のひらに拳をぶつけた。
「相棒の返事次第だが、極秘に伊達磨理子を追ってみようと思う」
俺たちの視線の先にいる今川は、無言で深くうなずいた。
「……と、いう訳だ。今夜も用心しろよ! なにかあったらここに連絡してくれ」
そう言って、浦野は携帯番号が書かれた紙切れを差しだした。
「はい……」
少しだけ真実へ前進したようにも、はたまた深い沼の中に足を踏み入れたようでもある、不思議な感覚。
満足したように去っていく刑事を送りだし、玄関の扉を閉めた途端。
「アンタ! 警察の人が来るなんて、いったい、なにしたの!?」
すごい剣幕でまくし立ててくる母親。
「大丈夫。なにも悪いことはしてないから安心して!」
適当にあしらい、部屋に戻る。
もう、ベッドにさえ行けなかった。
足もとにあったお気に入りのバッグを枕にして、カーペットの上で寝転ぶ。